マンフロット Befreeのアルカスイス互換化! ― 2017/02/18
先日から検討していたレンズサポーターをより安定に、より簡単に設置できるように、三脚をアルカスイス互換に改造しました。
改造前の三脚はトラベル三脚としてはメジャーなManfrotto Befree カーボンファイバー です。 本題に入る前に三脚の構成をみてみましょう。
三脚の一般的な部位
- カメラプレート(クイックシューなど)
- クランプ
- 雲台
- 脚部
カメラプレートとクランプはセットになっていてクランプの構造が変わると他のプレートは使えなくなるので基本一セットです。 正にその部分を互換化したのがアルカスイスですが、そのプレートを買って来たとしても、Befreeではそれを固定することができません。
よって、三脚を買い直すという選択肢を除けば、Befreeをアルカスイス互換にするには下記の3通りの方法があります。
- プレートの上にアルカスイス互換クランプを載せる
- クランプを交換する
- 雲台を交換する
[ 方法 1. プレート上にアルカスイス互換クランプを載せる ]
購入するアルカスイス互換クランプは底が平らなら何でも良いのですが、カメラを固定するプレートのネジは殆ど1/4インチネジなので、それが固定できればOKです。 もちろん3/8インチタイプでも数百円で変換ネジを入手できるのでそれでもOKです。
この状態でアルカスイス互換になりましたが、折角ガッチリ固定できるアルカスイス互換になっているのに、無駄なクランプとプレートの上にある為安定性はもちろん下がりますし、無駄なネジを経由しているので、ネジ緩みの心配箇所も増えます。
試しに Befreeの標準カメラプレートの上に SUNWAYFOTO クイックリリースクランプ DDC-60i を載せてみました。 マイナスドライバーがあれば全てDDC-60Lの付属品で載せられますし、干渉もしないしそんなに一時的に使用する分なら不安も感じないと思います。
用途としては、一時的に使用する場合や、重心が極端に低いPIXIとかなら問題は少ないでしょう。
[ 方法 2. クランプの交換する ]
アルカスイス互換クランプはamazonに大量の種類が3千円ほどからあります。 じゃ~、その中から口コミの良さそうな物を選んでポチっと・・・しないでください!
正直商品を買ってもまず使えません。
Befree雲台とクランプの間には力がかかっても回転しないように特殊な溝が彫られており、恐らくamazonで売っているアルカスイス互換クランプの99.9% は溝がBefreeと合わず使えないでしょう。 先ほどのSUNWAYFOTOのDDC-60Lも溝が合わず取付け不可です。
※ 全部確認した訳ではないので、0.1%成功する確率を残しました(爆)
クランプを交換を使うには下記2つの方法があります。
★ クランプ交換方法 2-1
SunwayFOTO DDC-60Lとアダプター(Desmond ボスアダプター DBAD-1)を使う方法。これを使うと雲台の溝とクランプの溝が大体合う為ネジ止めできるようになります。今現在アダプターは国内で手に入らないので海外のAmazon.comで入手する必要があります。
ただ、そこまでやって手に入れたとしても、Befree用ではないせいかピッタリ合わない様で無駄な隙間ができます、この様な無駄な隙間は強度が落ちるばかりでなくネジ緩みの原因となりカメラ落下という心配がありますので自分でアダプタをやすりで削り調整した方が良いと思います。
★ クランプ交換方法 2-2
HejnarのBefree互換クランプを使う方法。アマゾンなどには販売されていませんので、直接海外から購入することになります。
購入先はHejnarのサイト又は、e-bayでもありました。 値段は $70 と一番安い送料 USPS First-Class Package の $14 です。 試しに購入してみたところ8日で届きました。 タイミングにより14日程度掛かることもあるようです。 USPS tracking (荷物追跡)が出来ますが、実際は Hejnar から出荷した証拠だけに使われているようで、自宅に配送済んでいるのにまだ Arrived at USPS Facility になったままでした (^^;
クランプ交換後の雲台全体の重さは 190g、オリジナルは 189g なのでたった 1g の増加だけです。 変更後はこんな感じ↓オリジナルの収納性はそのままです。 カメラを固定するプレートは付属していません、amazonで千円弱からあります (^^;
[ 方法 3. 雲台を交換 ]
アルカスイス互換クランプが付いた雲台もかなりの数があります。 これも交換作業が簡単で自由度が高いのですが、調子に乗って頑丈な雲台にすると当然大きく重たくなりBefreeのコンパクト性が犠牲になる可能性大です。 かと言って無暗に小型化しても強度の心配があります。 Befreeの雲台の重さは 189g なのでコンパクト性を犠牲にしないレベルとしては倍くらいの 380g くらいまでが限界じゃないでしょうか。
Befreeのメーカーであるマンフロットもアルカスイス互換クランプの付いた雲台が出ていますが、値段、重さ、評判の全ての点でお勧めできません。
また、どこを調べてもはっきり書かれていませんが、アルカスイス互換クランプ付きの雲台には2種類あります。 違いはクランプ側にストッパー(滑り止め)がある物と、プレート側にストッパーがある物です。
A. クランプ側にストッパーがある雲台
- GITZO 雲台 GH3382QD etc
- SIRUI 雲台 K-20X etc
- Photo Clam 雲台 Pro-30NS etc
- Manfrotto ボール雲台 MHXPRO-BHQ6etc
- マーキンス 自由雲台 Q3iTRQ-BK etc
- SLIK 雲台 SBH-180 DS etc
B. プレート(シュー)側にストッパーに期待している雲台
- SUNWAYFOTO 自由雲台 FB-28i etc
- BENRO 自由雲台 B-2 etc
- アールアールエス (RRS) etc
- MARSACE 自由雲台 FB-2R etc
- Kirk BH-3 Ball Head etc
下記写真の上がプレート裏にネジを付けてストッパーにしているタイプで、下がクランプにストッパーが付いているのでネジが無いタイプです。
あまり話題にされていませんが、意外と今後のアルカスイス互換人生に影響する事項なので理解しておきましょう。 混ぜると危険で、クランプを緩めた途端ストッパーが効かずカメラが落下したり、プレートがクランプに固定できなかったりします。
写真の上のプレートはネジを外せば下の物と同じ物として使えますが、下の物はどちらにでも使えますが、ネジは付けられませんのでストッパーがなく落下の恐怖があります。
個人的にはクランプ側にストッパーがある雲台の中で、ストッパーを動かせる物が非常に使い勝手良く良いと思いますが、世の中のクランプの多くは"プレートにストッパーを固定している物" がコストを安くできるせいか多い為ジレンマが生まれます。
クランプにストッパーが有った方がプレートを全て緩めなくてもストッパーを外してすぐ脱着できる、プレートを止めるクランプをイチイチ全て緩めなくてもプレートを安全に外せる、プレートにストッパー用のネジが無いのでテーブルなどで安定してカメラを置けるなど利点は多いのですけどね。
この有象無象の中から選び出すのは大変労力が要りますが、結局選んだのは、クランプにストッパー付きのSIRUI 自由雲台 G-10X でした。 Befreeとは3/8インチネジ同士で計算された様にピッタリ!!
下の様に 1mm ほど雲台の径が大きいですが (カタログ上1.5mm) 違和感ゼロです (^^♪ 写真でクランプに赤い丸が見えていますが、これを押すとクランプのストッパーが引っ込んでプレートを簡単に外せるという仕組みです。
Befreeは三脚を小さく折り畳めるようにかなり工夫されていて、それを犠牲にしてしまうなら最初からもっと大きな三脚を買った方が良いですからね。
この状態で、付属の三脚ケースに入るか、試してみました。 結果、ちょっと練習とコツは要りますが、パッツンパッツンで入りました (^^♪
ちなみに、カメラプレート(クイックシュー)は外してケースに入れましょう。 G-20xという一段ランクが上の雲台はもちろん入りませんので、ご注意を!!
この状態 (Befree + G-10X) の重さは 1.2Kg です! 元の重さが 1.1Kg なのでたったの 100g アップですね。 期待通りの改造ができました。
バタバタしてやっと落ち着きましたが、正直最初からSIRUI 三脚 T-1204X+G10 雲台セット 【並行輸入品】 を買えば良かったのかも・・・、と最後に思いました (^^;
で、でもですよ、格納時縮長が 42 cm と 40 cm を超えること(超えないと利点があります)、重さが Manfrotto Befree カーボンファイバー + SIRUI G-10X より重い、ということで納得することにしましたとさ (#^^#)
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